高崎市少年科学館・星空の情報

2024年春の星空

【2024年春の星空 ここに注目】 |  「春の大曲線」を雄大に描いて星座探し! | 


【春番組リーフレット・コラム連携トピックス】
 |  北極星を見つけよう |  ポン・ブルックス彗星  星図「3月末〜4月の位置」を追加公開 2024.04.05 | 



[星図を大きく表示]
見上げた夜空全部を円形にした星図です。図の中央が、あたまの真上「天頂」で、外側の白い円が地平線です。 ☆マークは、全天に21個ある明るい星「1等星」です(1等星は、色も表現してあります)。

春の星めぐり:「春の大曲線」を雄大に描いて星座探し! 

有名な「北斗七星」から上の星図のように「春の大曲線」を夜空に描いていきます。
春の星座がせいぞろいするころ、北斗七星は頭の真上近くに見えています(円形の星図の中央やや上)。水をすくう道具「ひしゃく」の形に並んだ7つの星で、尾が長い不思議な姿の熊の星座「おおぐま座」のお尻からしっぽにあたります。

春の大曲線は、北斗七星の曲がって並ぶ4つの星を大きく延長していきます。すると、オレンジ色の1等星「アルクトゥールス」(意味は、熊の番人)が輝いています。この辺りの「うしかい座」は古くからある星座で、古代の人々はそこに「熊を追ってゆく男」の姿を想像したようです。星座絵では、左腕を高く突き上げた逞(たくま)しい男の姿が描かれます。

さらに春の大曲線のカーブをたどると、南の空に「スピカ」が見つかります。星占いにも登場する黄道星座「おとめ座」の青白い1等星で、白く清らかな輝きから「真珠星」とも呼ばれています。スピカは、豊穣(豊作)の女神が左手に持つ「麦の穂」にあたります。


【図】春の黄道星座(プラネタリウムの星座絵) © 高崎市少年科学館 



北極星を見つけよう


図:北斗七星から 北極星の探し方 

「北極星(ほっきょくせい)」はいつも真北に輝く、こぐま座の2等星で、 「ポラリス」という名前(固有名)でも呼ばれています。
上の図のように、「北斗七星」の先端の2つの星から探す方法が有名ですが、
地図や方位磁石、GPSなどで真北の方向を確かめて、 その場所の緯度と同じ角度(高崎市周辺は約36°)を 地平線から見上げることでも見つけられます。


桜と北の星ぼし(北斗七星、こぐま座) 当館職員  撮影


「ポン・ブルックス彗星(すいせい)」 70年ぶりに接近中!

 星図「3月末〜4月の位置」を追加公開 2024.04.05

70年ぶりに接近中の彗星で、3月〜4月ごろ夕暮れ直後の西空の低いところに見えます。 双眼鏡や小型望遠鏡を使って観察できる予報です。

太陽が沈んでから1時間後くらいの頃に、北西〜西の低い空を、双眼鏡などで探してみましょう。


ポン・ブルックス彗星(12P)を双眼鏡で見よう 


3月中は、アンドロメダ座の2等星「アルフェラッツ(秋の四辺形のひとつ)」や「ミラク」、おひつじ座の2等星「ハマル」(下の図を参照)が、大まかな目印になってくれます。


ポン・ブルックス彗星(12P) 2024年3月〜4月初めの位置 

4月初めには、ひときわ明るく輝く「木星」の近くに見えています。
4月には4等級まで明るくなると予想されています。(下の星図を参照)天の川が見えるような場所で低空まですっきり晴れていれば、肉眼でもポン・ブルックス彗星の淡い光芒を見つけられるかもしれません。

※4月後半になると、夕空がすっかり暗くなる前に地平線に沈んでしまうようになり観察しにくくなってきますが、予報以上に彗星の光度が明るくなって、良く見えようになる可能性もあるので、最新の情報に注目してください。


ポン・ブルックス彗星(12P) 2024年3月末〜4月の位置 2024.04.05 追加公開


【参考画像:ZTF彗星(ズィーティーエフ彗星)】
1年前(2023年2月)に地球に最接した「ZTF彗星」 当館職員  撮影

青緑色の頭部から2方向に尾がのびています。双眼鏡で見える明るさでした(榛名山にて、当館職員が望遠レンズで撮影)。「ポン・ブルックス彗星」も明るくなって、双眼鏡で観察できたり、このような姿を撮影できたりすると期待されています。