この秋、2年2か月ぶりの火星接近が起こり、火星が見ごろになっています。 今回、火星と地球の距離がいちばん近くなる最接近は10月6日23:18(日本時間) でした。 この日は雲の多い天気で、上空の気流も乱れていため、火星表面の細かい模様までは捉えられなかったものの、最接近した火星を記録することが出来ました。 15年ぶりの「大接近」だった前回2018年夏の接近に対して、今回もそれに近い好条件の火星接近なので、「準大接近」と呼ぶ場合もあります。 今後は火星と地球の離れていきますが、しばらくはまだ十分に近く、火星が大きく見えるので、詳しい観察のチャンスが続きます。 |
※惑星観測の慣例に則って、画像の上が火星の南極方向です。 中央に「火星の目玉」とも呼ばれる暗い斑点模様「太陽湖」が写っています。 右下のふち付近の、周囲より少し明るい楕円形のエリアは、巨大な火山「オリンポス山」です。 火星には四季の変化があり、現在、南半球(上半分)は夏です。白い極冠が非常に小さくなっています。 ※望遠鏡に取り付けた惑星撮影用ビデオカメラで動画を撮影、そこから抽出した大量の静止画像を PCで画像処理して、鮮明な1枚の画像にしています。 撮影日時: 2020年10月6日 23:16 露出: 60秒 18cm反射望遠鏡(18o接眼レンズ拡大) カメラ: ZWO ASI462MC CMOSカメラ 画像処理: AutoStakkert!3(スタック) 、 RegiStax6(ウエーブレット) 高崎市内にて 撮影: 当館職員 T.Kishi |
10月6日夜は雲が多く、拡大画像は、火星が雲間に姿を見せたタイミングで断続的に撮影しました。 月明かりのある夜空でも、接近時の火星は赤く明るくとても目立ちます。 |