★2022年11月の星空
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【今月の話題】 | "にぎやかな"秋の南の星空 | 「秋の四辺形」が星空の案内役! | 赤く輝く火星、12月1日に最接近 |
[星図を大きく表示]
見上げた夜空全部を円形にした星図です。図の中央が、あたまの真上「天頂」で、外側の白い円が地平線です。 ☆マークは、全天に21個ある明るい星「1等星」です(1等星は、色も表現してあります)。
"にぎやかな"秋の南の星空
南の空では秋が深まるとともに、天の高みで光り輝くようになった木星の存在感が、宵空で際立っています。
秋の星座には明るい星が少ないので、秋は1年でもっともさみしい星空の季節だといわれます。 しかし、今年2022年を含めてここ数年は、木星と土星の2つの惑星が秋の星座の中に輝いていて、秋の南の空が“にぎやか”です。
うお座でひときわ力強い輝きを放つ木星と やぎ座のしっぽのあたりに光る土星を案内役に、そこから星座を見つけていくのもこの秋ならではの「星めぐり」です。
【写真】"にぎやかな"秋の南の星空 撮影:当館職員
「秋の四辺形」が星空の案内役
天頂(頭の真上)やや南の「秋の四辺形」から秋の星座をめぐります。今年の秋に限っては、まず木星を見つけて、その少し北側にある秋の四辺形へ(上の円形の星図を参照)、というように探しはじめるのがおすすめです。
天馬「ペガスス座」の胴体「秋の四辺形」を、まず頭上に描きます。西の辺(星図では右側)を南にのばせば1等星「フォーマ ルハウト」が白く光っています。東の辺からは、肉食恐竜のような顔の「化けくじら」として語られる「くじら座」のしっぽの星「ディフダ」が見つかります。
秋の四辺形の北東の星からたどる王女「アンドロメダ座」 は、ペガスス座・くじら座も登場する、古代エチオピア王家の 物語のヒロインです。父親の国王が「ケフェウス座」です。王妃「カシオペヤ座」は見つけやすい「W」の星の並びで、「北極星」を探す手がかりになります。化けくじらと戦い、王女を救った勇士「ペルセウス座」は右手の剣を大きく振り上げています。
【写真】北東の空 秋の星座と天の川 撮影:当館職員
赤く輝く火星、12月1日に最接近
上の星図のように11月の宵空では、東の空にひときわ明るく赤っぽく「火星」が輝いています。12月1日が地球との最接近ですから、10月〜来年2023年2月初めごろが、約2年ぶりの観察の好機です。
ただし、今シーズンの火星は、冬の星座おうし座で輝いているので、11月は真夜中すぎに南の空高く上り、その前後の時間帯が望遠鏡で拡大して詳しい観察をするのに適した時間帯になります。
【写真】おうし座に輝く今シーズンの火星 撮影:当館職員
11月から1月初めの期間は、火星が星座の星々の間を「逆行」している様子にもぜひ注目してください。
おうし座の赤い目にあたる1等星「アルデバラン」や角の先の2等星「エルナト」(「ぎょしゃ座」の五角形と共有している星)を目印に、火星の位置の変化を数日おきに観察すると、火星が東から西に向かって(写真の右方向)移動して逆行していることが実感できると思います。
デジカメやスマホで定期的に記録して、比べてみるのもいいかもしれません。